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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Friday, March 25, 2011

原子力産業の立場に立ってみると…?

なぜこの期に及んで原子力産業や政治家は原発にすがるのか。僕の感覚からすれば「信じれん!」の一言なのだが、敢えて彼らの気持ちになって考えてみた。そうでないと、この状況は打開できないと思うからだ。

僕は映画で食べているし、映画を愛している。だから、もし映画館が深刻な事故を起こし(起こさないけど!)「映画は危険だ、全廃しろ」と言われたらどうか。たぶん全力で抵抗するだろう。みなさんも自分が属する産業について考えてみて欲しい。

想像してみよう。例えば自動車産業で働いている人は「自動車は全廃」と言われることを。教育産業で働いている人は「教育は全廃」と言われることを。マスコミで働いている人は「マスコミは全廃」と言われることを。農家の人は「農業は全廃」と言われることを。

そう考えると、原子力産業の人々の気持ちが分かる。原子力をあくまで擁護する御用学者の気持ちが分かる。政治家の気持ちが分かる。勿論、それでも僕は原発は全廃すべきだと思う。けれども、彼らの心情や事情を考えれば、激しい抵抗があるのは当然だとも言える。

つまり、これはもはや論理の世界ではない。論理では原発全廃の方が良いに決まっている。間違いない。しかし、原子力で食べている人々は、論理よりも実利が優先される。したがって、論理で攻めても原発を止めることは決して出来ない。

考えてみれば、原子力産業そのものが、制御不能な核分裂を起こしているようなものなのだろう。いくら冷却水をかけても、水は蒸発し、分裂はなかなか止まらない。原子力産業を止めることは、福島原発の暴走を止めることよりも、遥かに難しいことは間違いない。

ではどうしたらいいのか。僕にはその答えが分からない。今は、原発を止めることが想像以上に難しいだろうという現実を、苦い思いで認識しているだけである。しかしその認識から出発しない限り、決して原発を止めることはできない。それだけは事実であろう。

(この文章は、連投ツイートをまとめたものです)

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